ちょっとしたシーンで生活感を出すのが、テレビシリーズとは違う映画の楽しみです。テレビシリーズで見慣れたのび太の部屋にも陰影がついていたり、夕方になって蛍光灯がつくときに、パチパチッとなってちょっと時間がかかったり。

そうそう、あの蛍光灯のところよかったですね。ちゃんと点灯管が点いてから、丸い蛍光灯が点く。その丁寧な描き方が素晴らしい。これから映画を見る人たちには、ぜひ映画館の大きなスクリーンで、そうした作り手の細部へのこだわりも楽しんでほしいですね。

細部といえば、本筋にあまり関係なさそうだけど印象的だったのが、戦艦のエアコンが壊れてドラコルルや副官が汗だくになっているシーン。敵だけど憎めないなと笑っちゃいました。この人たちにも、それぞれの立場や生活があるんだろうなと感じさせてくれる場面でしたね。

小さくなって、みんなでおやつを食べる場面もよかった。メロンは原作にも描かれていたけど、オレンジは映画オリジナルですよね。しずかちゃんがオレンジの粒をひとつずつ食べることで、みんなの体が小さくなっていることがより強調されていましたね。

それから牛乳風呂。原作では小鍋で牛乳をわかしていたけど、今作では電子レンジでチンして温めていましたね。ちょっと熱くなりすぎるんじゃないかと心配しました（笑）。

子どものころに見た映画の中で、牛乳風呂にミルククラウンができるシーンがあって、それにすごくあこがれていたんです。私もお風呂で、しずくがしたたってミルククラウンができるのを見届けようとがんばっていたことを思い出しました（笑）。

―Part2へつづく