とても便利なひみつ道具。
しかし、中には使い勝手が
ちょっと悪い道具もある。
ここさえ直ったら、
ずっと使い勝手が良くなるのに…。

ひみつ道具特捜班が
ひみつ道具ユーザーを勝手に代表して、
そんな"消費者の悩みの声"をお届けする!

「アンキパン」は分厚すぎる!

アンキパン」は、
ノートや本に写して食べれば
たちまち暗記することが
できる便利な道具。
見たところ「アンキパン」は、
6枚切りの食パンと
ほぼ同じ厚さ
に見える。

つまり、
6ページ分のことを覚えるためには、
食パン一斤を食べないと
いけない
のだ。
たとえば三省堂の
国語の教科書一冊
(小学四年生、234ページ)を
丸暗記するには、
39斤の「アンキパン」を
食べなければいけない。
いくらなんでも多すぎる!

是非、もっと薄い
「うす切りアンキパン」を
開発してほしい!

食パンよりもいっそ
「アンキオブラート」などが
開発されれば、一層便利だ。
こうした改良点は未来の開発者たちも
当然考えるはずなので、
暗記する機能を有効にするために、
あの厚みが必要なのかもしれない。

(2巻 P12「テストにアンキパン」)

ママをたずねて三千キロじょう」は、
ひとつぶ飲むと三百メートル探し
歩かないとママに会えない薬。

できればママになんか
あんまり会いたくない、
という難しいお年頃の
少年・少女御用達の道具だ。

さてこの錠剤、
ひとつぶで三百メートルの
効き目
があるので、
「三千キロじょう」ひと瓶には
なんと一万つぶ入っているのだ!
これは小分けにしすぎな気がする。
未来の技術を使えばひとつぶで三千キロの
効き目を持たせることも、
きっと可能なのではなかろうか。

しかし、
ママとケンカしたのび太のように
「二度と会いたくない」と
頭に血が上っている
ティーンの気を晴らすために、
あえて小分けにしてあるのかもしれない。

暴走しがちな若者の気持ちに寄り添う、
未来の開発者の思いやりが感じられる。

(21巻 P139「ママをたずねて
三千キロじょう」)

ヤカンレコーダー」は録音した音声を
風船玉の形に変えて保存する道具。

風船を割ることで音声が再生される。
音声を風船玉にする技術は
さすが未来と驚かされるが、
見た目が全部同じ風船玉だと
見分けがつかなくて混乱しそうだ。
使い勝手のことを考えると
全然便利ではない…
というよりむしろ
現代のレコーダーの方が
便利とすら思える。
恐らくこれは
実用性を追求した道具ではなく、
アイデア重視の娯楽品なのだろう。

(4巻 P151「ヤカンレコーダー」)
「取り消し」がきかないひみつ道具が多すぎる!

もうひとつ、
ひみつ道具全般に多い問題として、
一度動き出すと取り消しが
きかない
ということがある。

たとえば、みんなのお小づかいから
税金を取り立てる
税金鳥」という道具がある。
しかし取り立て方法がかなり強引で、
税金を出ししぶると衝撃ビームを放ち、
相手をビリビリにしたところで
現金を奪っていくというやり口。

泣いてもすがっても許されず、
唯一の方法はバットで
めちゃくちゃに破壊するしかない!!

(22巻 P157「税金鳥」)

スケジュールどけい」は
とにかくスケジュール最優先。
雨が降っていても
野球の予定は変えられないし、
行きたくなくても時間が来たら
トイレに行かなければならない。
当然、これもキャンセルボタンなし。

(3巻 P56「スケジュールどけい」)

強いイシ」は意志が弱い人に
目標を守らせるために使う道具。
この道具も本体に取り消しボタンが
つけられていない。

しかも空中を素早く飛びながら
突撃してくるので命がけだ。

(43巻 P120〜121「強〜いイシ」)

さまざまな夢を
現実のものに変えてくれる
ひみつ道具は素晴らしい存在だ。
しかし、入力ミスや
設定ミスといったうっかりを、
もっと簡単に
訂正できるようにしてほしい。

未来世界のカスタマーセンターにも、
きっとそうした投書が
舞い込んでいるはずだ!

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第2回は、7月30日(火)AM10:00ごろ公開予定です。