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いまの子どもたちにとっても身近に感じられるクライマックスだったんじゃないでしょうか。

対談の冒頭でも言いましたが、ぼくが高校生のころに初めて原作まんがを読んだとき、最終回でしずかちゃんが大きくなるシーンにものすごく驚いたんですよ。なぜあれほど驚いたのかというと、物語に引き込まれるうちに、みんなが小さくなっていることをすっかり忘れていたからなんですね。

(『大長編ドラえもん6巻 のび太の宇宙小戦争』より)

私もそうでした。ピリカ星に向かってからは小さくなっていることを忘れているので、それだけにみんなが大きくなってからのクライマックスが、なんて胸のすく展開なんだろうと。原作では、その前に「かたづけラッカー」の効果が切れる場面があって、「ききめが永久につづく薬なんてあるか!! なんにだって有効期限はあるんだ!!」というドラえもんのセリフがあるんですよね。それが、スモールライトの効果が切れることへの伏線になっているという。

(『大長編ドラえもん6巻 のび太の宇宙小戦争』より)

大きくなってから、ジャイアンがビル街の屋上を走っていくでしょ? あそこは原作や前の映画にはなかった描写ですよね。体が大きくなってもビルを破壊できるほどではない、けれどクジラ型宇宙戦艦に飛び乗ってからドスンと足踏みすることで戦艦に大きなダメージを与えられる。そうした一連の流れから、「巨人」のリアルな重量感が伝わってくる。

最後はジャイアンが戦艦を仕留めるんですが、その直前に5人で戦車を一斉にたたいて攻撃するオリジナルの場面がありますよね。あれは、私には出てこない発想で「すごい!」と思いました。ゲームセンターっぽい動作でもあるから、いまの子どもたちにとっても身近に感じられるクライマックスだったんじゃないでしょうか。

最後の戦いでは「空気砲」や「ひらりマント」といった、おなじみのひみつ道具を使わないんですよね。時間的にはそれほど長いシーンじゃないけれど、さまざまな描写のおかげで密度が濃く、充実感のある場面になっていたと思います。

そして今回の映画では、エンディングにもオリジナルシーンが加えられていましたね。

市民が喜びにわいているとき、パピがそこを抜け出してピイナのもとに行くんですよね。そこで両親の写真が入ったペンダントも映し出され、路地裏で二人が抱き合う。パピの背負ってきたものが大統領の職務だけでなく、家族への思いもあったことが伝わってきて……、ぼくはあの場面が映画の中でいちばん見応えがありました。

パピとピイナ (映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021より)

その場面での、「あなたが私の弟だなんて、こんなに誇らしいことはないわ」っていうピイナのセリフもいいですね。年下であってもちゃんと敬意を払い、また身内を誇れる気持ちも持っている。姉弟の素敵な関係性が伝わってきました。

そうそう、最後の最後で、出木杉くんが出てくるのもよかった! いつも冒険に置いてけぼりなんだけど、今回は最後にみんなと一緒にいる場面があったので、もしかして監督と脚本家の思いやりだったのかなあ。

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