『のび太の新恐竜』への出演が決まったときのご感想は?

一言でいうと「ハッピ~♪」ですね。子どものころから、ずっと読んだり、みたりしてきた憧れの「ドラえもん」。しかも誕生50周年、映画40作目の記念作に、あの木村拓哉さんといっしょに出られるんですから。

映画の脚本を読んでみて、いかがでしたか?

私が演じたナタリーをふくめて、みんなの信念や正義がぶつかり合うアツい物語だと思いました。だれが悪いとか間違っているとかじゃないんです。みんなが意見を持って多様化している今の時代にぴったりです。
キャラクターではスネ夫が気になりました。「うそでしょ?」と笑っちゃうシーンがあるのですが、それに対してナタリーがツッコミのようなセリフをいうところがあって(笑)。あのジャイアンでさえ映画になると変わるのに、スネ夫だけは変わらないんですよね。逆にそこがいい(笑)! 
そして、のび太。とにかく成長がすごい! 誰もがのび太の行動に驚く展開があるのですが、それがラストにつながる。のび太にしかできないことですよ。のび太の、生き物を愛して、みんなを受け入れる力は本当に尊敬できます。でも、日常に戻るとふだん通りになる。それがまた、のび太らしくいていいんですよね(笑)。

渡辺さんが思わず笑ってしまった
スネ夫の名(?)シーン。
なんと言っているかは劇場で
チェック!
(『映画ドラえもん のび太の新恐竜』
より)

アニメ作品に出演する際に声の演技で意識されていることは?

じつは声の演技に苦手意識があるんです。デビューしてから顔芸ひとつでここまで来たので、それを封印して声だけで感情を表現するのが難しくて……。だから今回のアフレコの前に発声練習など、めっちゃしてきました。アフレコ中もナタリーの表情や前後の動きから気持ちをくみ取って、彼女の思いをきちんと表現できるようにがんばりました。

渡辺さんが演じたナタリー。
「本当にドラえもんの映画!?」と
渡辺さんが思ったほど、
大人っぽくてクールな役柄。
(『映画ドラえもん のび太の新恐竜』
より)

私がアフレコをしたときには、レギュラー声優のみなさんの声は、すでに入っていました。はじめは「ドラえもんだ!」と、ただ感激していましたが、次第にプロの技術に圧倒されて……。声だけで表現する声優さんって、ほんとうにすごいですよね。
今回のナタリーはクールな役なので、抑揚をあまりつけず、それでいて棒読みにならないようにするのが大変でした。でも、監督がやさしく丁寧に演技指導をしてくださったので、なんとか演じきれたと思います。

(『映画ドラえもん のび太の新恐竜』
より)

今作のキャッチコピーは「ハロー! 新のび太。」ですが、これまでの人生で「新 渡辺直美」を感じたことはありますか?

30代になって、自分の不得意なことは得意な人に任せようと思えるようになりました。それが“新”渡辺直美。
人生において自分自身の得意なことと不得意なことを知っておくことが大事だと思っています。みんな、自分の苦手なことを、みてみないふりしがちじゃないですか。20代までの私がまさにそれで、「なんでもやりますよ!」といって、得意じゃない仕事も受けて、結果的に周りの人を悲しませてしまいました。それがイヤで、自分のできることと、できないことを区別して行動しようと決めたんです。そうしたら、できることに全力を集中できるからか、パフォーマンスがあがった気がします。