1968 年東京生まれ。短歌、作詞、現代詩、漫画評、小説、脚本など、幅広く活動。97年、短歌集『てのりくじら』がヒット。『日本ゴロン』『淋しいのはおまえだけじゃな』『結婚するって本当ですか?』『もう頬杖をついていいですか?』など著書多数。「週刊朝日」「朝日新聞(東京版夕刊)」「毎日新聞」ほかでコラムを連載中。NHK「スタジオパークからこんにちは」「ようこそ先輩」などでの短歌指導が評判になった。短歌入門書『かんたん短歌の作り方』(筑摩書房)がきっかけで加藤千恵、佐藤真由美などが歌人デビューした。
枡野先生のblog「枡野浩一のかんたん短歌blog」でも、たくさんのドラえもん短歌が見られます(募集は終了)。
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2005.1.5
『ぼく、ドラえもん。』20号に枡野浩一先生が選んだ優秀作15首が発表されています。ぜひご覧ください!今回はその入選作以外の応募作品から、編集部がいくつかをセレクションしてご紹介します。枡野先生にも特別にご指導のコメントをいただきました。

これはつまり、「ドラえもんの秘密道具を見て驚くのは、それが便利だからというより、むしろ未来のモラルがとんでもないことになっているということがわかるから」という意味のことを言いたいんですよね?「便利さ」と「未来のモラル」は同列の言葉に見えないので、そのへんもっと工夫する必要があると思います。日本語として、より自然な言いまわしで書けないか、試行錯誤してみてください。着眼点は面白いと思います。


これは後半が説明的なまとめになってしまっていて、読者が自分の感想を挟み込む余地がない……それが残念。野比のび太が好きな娘、という事実だけで愉快なのですから、その事実を淡々と提示したほうが楽しい短歌になりそうです。


前半と後半のつながりがややわかりにくいです。「のび太をダメ人間だというあなたは、素手で殴られたこともない、おぼっちゃん育ちだ」といった意味のことを言いたいのでしょうか。ご自身の言いたいことの核をしっかり見つめて、そこを的確に五七五七七の中にいれるようにしてみてください。


「けっこうスネ夫もうらやましい」という発見は、面白い。でも前半は、説明のための無駄な言葉が多くて、もったいない感じです。「子供のころにはうらやましいと思ったことはなかったけれど……」というニュアンスが、もうちょっと出せるといいですね。


ジャイアンの気持ちを想像してあげた翔くん、君って、なんていいやつなんだ! その気持ちを忘れないで、優しい大人になってください。でも本当のこと言うと、ジャイアンは単にさぼってるだけかもよ……。


最後のところが字足らずで、五七五七七になっていないのが惜しい。「のび太似のむすこがいます ドラえもん うちにはなんで来てくれないの」とか、語順をいろいろ変えたりしてみてください。


これは出来事の説明に終わってしまっていて、作者の感動の核が見えにくいです。「四才で、女の子なのに、ジャイアンの歌を歌っていて、そのギャップがかわいい」という感じかな。いちばん強調したいことはどこか考えて、つくりなおしてみてください。


これは「ジャイアンの歌の続きをだれも知らない」というところを活かして、何か別のことも同時に詠み込むと、味わい深い短歌になりそうです。「歌わせてあげてよ彼に最後まで 続きはあるの? ジャイアンの歌」とかね。
短歌は音数を五七五七七ぴったりにしたほうが、説得力が増します。
みんなが思ってるだろうことを短歌にする場合は、みんなが思いつかない新しい言い方を発見しましょう。
みんなが思ってもみない、あなたならではの発見を短歌にする場合は、みんなにも理解できる言い方を必死に考えましょう。
枡野浩一

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