「僕の曲によって世代をつなぐグラデーションが
描けたらいいなと思います。」

主題歌の『ドラえもん』の印象的なサビのフレーズ「どどどどどどどどど、ドラえもん」は、大発明だと思いました。日本中の子どもたちが、歌っている姿が目の前に見えてくる気がします。

本当ですか。うれしいな。

サビのフレーズも、タイトルのように先に決めていたんですか?

メロディーが先にできていて、同じ言葉を繰り返したいなと考えていました。まさかそこに「ドラえもん」は来ないだろうと思っていたのですが・・・。試しに歌ってみるとすごくしっくりきて、楽しい感じがしたんですね。「ドラえもん」を入れてみたあとは、ほかのどんな言葉をいれても、もうダメだなって感じでした(笑)。

間奏に、過去に使っていた『ぼくドラえもん』の曲が入っているのも、オマージュとしてすてきだなと思いました。

あの間奏も、思いついたときには、これはヤバいと(笑)。



『ドラえもん』というタイトルで、『ぼくドラえもん』がオマージュされている。贅沢ですよね。

『ぼくドラえもん』を作曲された菊池俊輔先生はじめ、いろんな方に許可していただいて。いろんな方々の力をお借りして出来上がった曲なんです。みなさん、ほんとうにありがとうございました。

星野さんのラジオ番組で、自分の頭のなかに残っているひみつ道具を出すときの効果音をジングルにするという、企画をやっていたでしょう。



世代によって、みんなひみつ道具をだすときの効果音がちがうんですよね。それを、口に出してやってもらったらおもしろいだろうなと思って。

で、今回のCDは、ドラえもんがひみつ道具をだすシーンがそのままジャケットになっている。

ぼくもすごく気に入っているんです。



CDのカップリング曲でも、大胆なカバーをされました。

映画で流れているわけではないのですが、『ドラえもんのうた』をカバーさせていただきました。みんな知っているこの歌を、子守唄みたいにできたらいいな、と思って録音していたら、ドラえもんがぼくの家に遊びに来てくれて参加してくれたんです。
なんとなく思っていたのは、僕の世代だと同級生や友だちに、どんどん子どもが生まれていて、お子さんと一緒に『ドラえもん』を観に行く世代なんですね。子どもたちは何の先入観もなく、映画をみて主題歌を聴いてワクワクしてくれると思うんです。



星野さんがF先生の作品を未来へつないでいきたい、と思う気持ちともリンクしているような気がします。

『ドラえもん』って、世代によって思い描く部分に違いはあっても、ずーっとつながっているでしょう。そして、これからも続いていくものだから、僕の曲によって世代をつなぐグラデーションが描けたらいいなと思います。

(てんとう虫コミックス ドラえもんプラス5巻『45年後…』P186:上段/P191:下段)

最後に、今回の映画にちなんで、星野さんがいま一番の宝物だと思っているものを教えてください。

『映画ドラえもん のび太の宝島』とそれにかかわる歌すべてですね。これらの曲は、もちろん星野源のシングルなのですが、ほんとうにいろんな方々が協力してくださって実現できました。そこには、ものすごいチームプレイがあった。自分ひとりではまったくできなかったことを、みなさんと一緒に作るってことができて……。
『ドラえもん』のファンだからというだけでは、普通ではかかわることができないような仕事をやらせていただいた。素敵な体験をさせていただいたと思います。


仲間みんなで力を合わせて手に入れたもの。まさに『映画ドラえもん』のテーマそのものですね。

そうなんです。ぼくの曲も含めて『映画ドラえもん のび太の宝島』が、関係してくださった方々、そして観てくださったファンの方々、みんなの宝物になればいいなと思います。



全4回のインタビュー、星野源さんありがとうございました!

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  • 星野 源1981年、埼玉県生まれ。
    音楽家・俳優・文筆家。

2000年にバンドSAKEROCKを結成。2010年に1stアルバム『ばかのうた』にてソロデビュー。2015年5月にリリースしたシングル『SUN』が、オリコンウィークリーシングルチャートにおいて自己最高となる2位、各配信チャートで軒並み1位を記録するなど大ヒットを記録。2016年10月5日にリリースしたシングル『恋』は社会現象とも呼べる大ヒットを記録。

俳優として映画『箱入り息子の恋』(13/市井昌秀監督)、『地獄でなぜ悪い』(13/園子温監督)等に出演し、第37回日本アカデミー賞新人俳優賞等の映画賞を多数受賞。ドラマ『コウノドリ』(15/TBS)、大河ドラマ『真田丸』(16/NHK)、『逃げるは恥だが役に立つ』(16/TBS)など出演作多数。作家としても『蘇える変態』『いのちの車窓から』などの著書がある。2017年3月には第9回伊丹十三賞を受賞した。